脳科学コラム15.「成人発達理論」って何?
欧米組織では、人材育成や組織開発で活用されているが、残念ながら日本では全く浸透していない理論です。人の成長を5段階にわけ、次のステージへと移行を促す考え方。
発達段階1:思春期
発達段階2:成人の10%がこのレベル。
自分メインで、相手の立場に立って考えることは難しい。
「移行方法」:行動分析学が一番有効。
発達段階3:成人の70%がこのレベル。
他人の気持ちは分かるが、自分の考えを持っておらず、組織の考えに
依存。
「移行方法」:自分の考えを持たせるようにする。
発達段階4:成人の20%未満がこのレベル。
組織で最も重宝される人材。他人の考えも分かり、自分自身の意見も
しっかり持っている。真のプロフェッショナルはこのレベルに達し
ている。しかし、考えが異なる意見をなかなか受け入れることができ
ない欠点がある。
「移行方法」:書籍では移行が簡単な感じで記載されていますが、実は相当
難しいです。「悪妻」「大病」「刑務所」のいずれかを経験
し、中年の危機である「自分とは何者なのか?」「人生とは
何か?」を深く考える必要があります。ほとんどの中年は、
この点を考えないようにしているかと思います。
発達段階5:成人のわずか数%しかいない。
自分の意見に全くとらわれない「開放性」「柔軟性」がキーワード。
人生というものは、「一生の学びの場」と捉え、生涯の学びが自分の
人生と深い所で理解している。組織全体を成長させる力を持っている。
『なぜ部下とうまくいかないのか』加藤洋平著
・自分なりの評価軸を持つ事が、自分の才能を見つけ出すことにつながる。
『努力不要論』中野 信子 著 フォレスト出版発行
※これは発達段階3→4への移行です。
・これからの時代に必要とされる「プラスの能力とは、ただ周囲に同調するのでは
なく、自分ならではの意見、判断を持つ事。
・社交的である方が人生でのメリットが多そうだが、一方でそのような生き方では、
真に強い「個」は育たない。社交的であるということは、周りの空気を読む日和見
能力だからである。『メタル脳』中野 信子 著 KADOKAWA発行
※上記2つとも発達段階3→4への移行です。