脳科学コラム2.「ゆでないカエル」思考とは?
「脳の柔軟性」、かなり奥が深い話です。変化への適応力の例として、よく挙げられるのが「ゆでカエル」。カエルをいきなり熱湯に入れたら、カエルは驚きすぐにジャンプして脱出をはかります。しかし「ゆでカエル」、最初は適温につかり、徐々に湯の温度があがる状況では温度の変化に気づかず、そのままゆでられてしまいます。
実社会で考えると、デジタルカメラ市場が「ゆでカエル」に相当するかと思います。
2020年度のデジタルカメラ市場、2010年度と比較してどうなっていると思いますか?
実は9割減です。キヤノンやオリンパスは他でも大きな事業を持っているので、撤退しても何とかなりますが、カメラ専業のニコンとなると逃げ道がありません。
2001年、当時のアイフォンがCMで「写メ」をDragon Ash「Life goes on」の曲で大体的に打ち出したとき、素人でも「近い将来デジタルカメラはなくなるな」と分かっていました。写真とコミュニケーションって最強のタッグなので、写真のみのデジタルカメラに勝ち目はありません。
変化が訪れても適応できる「脳の柔軟性」とは何か?一言で表現することができません。脳そのものの特性を理解する必要があります。
次回以降、この点を紐解いていきます。
・人工知能時代にて、求められる能力は「脳の柔軟性」。どんな変化が訪れても適応
する力があれば問題ない。
『できない脳ほど自信過剰』池谷 裕二著 朝日新聞出版発行
・一番大切な脳の機能を1つだけ挙げるとすれば「予測して対処すること」。記憶と
いう脳の機能が何のためにあるのかと言えば、その知識を未来に活かすため。
『パパは脳科学者』池谷 裕二 著 クレヨンハウス発行
・前頭前野が衰えない人は、普段から「こうに決まっている」と判断せず、常に合理的
思考、客観的思考で考える。