知の旅

真のリーダー人材に欠かせない知識を 追求する「知の旅」。知識がなく敗れ去る、世界の歴史で幾度も発生した事実は今でも変わりません。 脳科学、世界史、宗教、東洋思想、日本人の価値観、リーダーシップ論、マネジメント論、各戦略論などで「知の旅」をし、役に立つ情報をお届けします。

リーダーシップ論コラム3.「リーダーシップ人材」の真骨頂

「リーダーシップ人材」には新しい可能性が鮮明に見えています。未来に不安を抱える従業員には「リーダーシップ人材」が描く「未来図」は希望の光。「リーダーシップ人材」は実現に全身全霊を使います。

 

競合チェーン店に対し自社100店舗で挑む時、最初から本気の店舗はせいぜい20店舗。残り80店舗を動かす為、「リーダーシップ人材」は本気度を知らしめます。逐一成功事例の共有、追加施策の矢次導入。進捗度のランキング化で、不振店舗には自らがテコ入れ。「本気で取り組まないとまずい」恐怖心を煽る『厳しさ』も「リーダーシップ人材」の特徴です。

 

なぜ「リーダーシップ人材」はそこまでするか?未来が鮮明に見えるが故の「皆を助ける」使命感です。不器用人材が「リーダーシップ人材」の素質を持つのは、この点にもあります。

 

〇「リーダーシップ人材」の特長1:『現実を見抜く』

・組織の大半のひとが当然視している仮定が環境にそぐわなくなった時、いち早く見抜

 くのが「リーダーシップ」。『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行

 

経営学者で唯一ノーベル賞を受賞しているH.A.サイモンには「現状への不満解消こそ

 が探索をはじめさせる」、「不満足―探索仮説」と呼ばれているモデルがある。ほと

 んどの人は会社や仕事に愚痴をこぼすだけでは、探索(変革)ははじまれない。不満

 を解消しようとして初めて、探索(未来に向けた変革の旅)がはじまる。

『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行

 

・学び、成長し、絶えず模索し続ける。秘訣は「それはなぜだ」と自問する。

『「人の上に立つ」ために本当に必要なこと』ジョン・C・マクスウェル著 ダイヤモンド社発行

 

・組織を成長させるためには、学習意欲を持ち続けなければならない。学習意欲を高め

 るためには、自分が全てを知っているわけではない事を認める必要がある。

『「人の上に立つ」ために本当に必要なこと』ジョン・C・マクスウェル著 ダイヤモンド社発行

 

・リーダーらしく考えられるようになるためには、まずは行動すること。新しいプロジ

 ェクトや活動に飛び込み、全く異なるタイプの人に接し、新しい仕事のやり方を試し

 てみるのである。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・企業理念とその実現を目指す現場の仕事との間には必ず矛盾が生じることを理解して

 いる。この矛盾は、緊張を生み出す一方創造性を引き出し、更なる成長へとつなが

 る。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・根拠に基づく意見を持つためには、「事実主導」が「データ主導」であってはならな

 い。データを何か神のようにあがめる傾向がある。信頼性のあるデータは確かに必要

 だが、定性的な判断が実は欠かせない。チーム内でそのような意見を酌み交わせる事

 が大切。データはあくまで参考にとどめる必要がある。

『NETFLIKSの最強の人事戦略』パティ・マッコード著 光文社発行

 

・統計的に有意義なデータをとろうとすると、一定数以上のサンプルが必要となり、ど

 うしてもセンスが悪い人達のセンスが混じってしまう。データドリブンの致命的な

 欠点。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』山口周著 光文社新書発行

 

・議論が十分にされ尽くした、その先が大切。「君、その反対意見を挙げて欲しい」と

 反論を聞くうちに、皆が更に多面的に問題を考えるようになる。この「検討した後

 で」の順序が大切。「今」を出発点としてしまうと、新しい状況に対応できるチーム

 にすることはできない。このミーティングでは1チーム3~4名の小集団にすること

 が秘訣。大きな  集団で発生する集団志向を避けることができるし、全員意見を

 言わなければならなくなるから。

『NETFLIKSの最強の人事戦略』パティ・マッコード著 光文社発行

 

・優れたリーダーは、状況認識が継続的なプロセスであることを心得ており、様々な

 知見、データ、経験、対話、分析を総合して地図を書き換えていく。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・専門家の弱点は、現状の知識に制約されること。新鮮な目でとらえられる人が、無知

 故に制約をすり抜けることがある。

『NETFLIKSの最強の人事戦略』パティ・マッコード著 光文社発行

 

 

○「リーダーシップ人材」の特長2:自分の考えにがんじがらめにならない

・有能なリーダーは「問いかける」。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・自分が立てたアクションプランに縛られてはならない。むしろ頻繁に再検討した

 方が良い。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・ナポレオンは、計画通りに勝利を収めた戦闘など存在しないと語ったと言う。

 しかし、ナポレオンは、歴代のどの将軍よりも入念に計画を立てていた。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・初期の『世俗権力二論』におけるロックは政治権力の絶対的な統制権を認めて権威

 主義的立場に立っていた。しかし、同じロックが、後期の『寛容性についての手紙』

 では、個人や教会の政治権力からの自由を擁護するリベラルな立場へと姿勢を変え

 た。『ジョン・ロックー神と人間の間』加藤 節著 岩波新書発行

 

 

〇「リーダーシップ人材」の特長3:『変革しようとする気概』『未来を見せる』

・組織を理解する最良の方法は、「それを変えてみよう」という気持ちである。

『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行

 

・「うちの会社は順調にいっている。環境を的確につかまえて、うまく適応しているか

 ら大きな改革は必要ない」と考えている人が大勢いるとしたら、その会社はいずれ

 危なくなる。

『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行

 

・自分を貫くものがあれば、組織に対してどうしても多少ギスギスする位の方がいい。

『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行

 

・優れたリーダーに際立った共通点が1つだけある。それは自らすすんで冒険する

 こと。『「人の上に立つ」ために本当に必要なこと』ジョン・C・マクスウェル著 ダイヤモンド社発行

 

・リーダーは全員を共通の夢へと向かわせる。1人ひとりに当事者意識を持たせ、周囲

 の人をもリーダーにする。

『リーダーシップ・チャレンジ』ジェームズM・・クーゼス バリー・Z・ホズナー著 海と月社発行

 

 

〇「リーダーシップ人材」の特徴4:楽観主義と克服力

・最高のリーダーは課題に対する今の評価がどうであれ、克服する施策があると信じて

 いる。どんな困難にも対応できると信じる楽観力は訓練で習得できない。

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えている たったひとつのこと』

マーカス・バッキンガム著 日本経済新聞出版社発行

 

・状況に適応しながらも自分らしさを失わないリーダーシップスタイルへと進化させる

 ために必要なのは「遊び心」。しっかり遊び心を持って臨めば、可能性に対してより

 オープンになれる。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

 

〇「リーダーシップ人材」の特長5:『厳しさ』

・優しさばかりでなく、時には威圧を示さなければならない。リーダーはナメラレては

 話にならない。従業員と戦っても勝って見せる勇気が必要。「争いなき者は常に亡

 ぶ」。

渋沢栄一著「孔子 人間どこまで大きくなれるか」三笠書房発行

 

・名将は「厳」と「仁」のバランスを見極めている。「厳」を欠けば甘えの構造を

 生む。

『兵法三十六計』守屋洋著 三笠書房発行

 

 

〇「リーダーシップ人材」の特長6:『自己統制力』

・自分の感情や衝動をコントロールできる人は、周囲の人と信頼関係を築くことができ

 る。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・自分をコントロールできるリーダーは、ひっきりなしの合併と分裂、技術革新など

 急激な変化に直面しても、遅れることなくついていくことができる。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・意欲の高い人は実績が思わしくない時でも楽観的な態度を保っている。自己統制の

 メカニズムが働いて、挫折や失敗によって感じる欲求不満や気分の落ち込みを克服し

 ている。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・リーダーとして成長する上で重要なのは、幅広いリーダーのロールモデルから学び、

 自分のモノにすること。

『マネジャーの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

・組織内の人間は「自分達のリーダーは、組織に安定をもたらす能力の持ち主かどう

 か」リーダーの言動を観察している。だからこそリーダーは、皆が課題にチャレンジ

 できるよう、自信にあふれた態度でコミュニケーションをする必要がある。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行

 

 

〇「リーダーシップ人材」の特長7:若い時に大きな試練に遭遇している。

・最も一般的で何より重要なのが、キャリアの早い段階で大きな試練に遭遇している

 事。20代か30代で、リーダーの役割を果たそうと努力し、リスクを背負い、成功と失

 敗からリーダーシップの難しさ、リーダーシップが変革を生み出す可能性を学ぶ。

『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編 ダイヤモンド社発行