リーダーシップ論コラム8.「リーダーシップ人材」が力を発揮する方法
多くの企業は戦略策定時、最初から経営幹部を集め、合宿などを行いながら構築する傾向がありますが、そのような戦略はほとんど力がありません。最初から「金平糖の角が落ちている」ためです。ボストンコンサルティング等の外資系コンサルティングファームの仕事の仕方は、大体5名前後がクライアント企業の密室にこもって戦略を策定します。戦略の有効性の有無・・・言うまでもありません。
ほとんど知られていませんが、戦略とは1人の「リーダーシップ人材」が孤独と戦いながら試行錯誤を何度も繰り返し、作り上げるものです。それをベースにあらゆる社員を巻き込みながら、マネジャー、経営幹部の同意を得た上で実行します。
・日本社会は金平糖の角を落とすような議論が多い。平均化によって全ての知性を失
う。組織改革は、平均化して丸くなってしまった組織、パワーを失った組織に活力を
よみがえさせる。金平糖らしくするためには、金平糖のどの角をより尖らせるかを模
索するようなもの。『組織変革のビジョン』金井壽宏著 光文社新書発行
・集団で考えるとかえって深く考えずに決定がなされてしまう病理、あるいは集団の方
が実は過ちをおかしやすいという病理を「集団浅慮」という。集団を思考の方が個人
の創造性を妨げるリスクが大きいことは念頭に置かなければならない。
・リーダーは、その組織ビジョンを実現する方法を決める際、社員たちも参画させる。
こうすることで、社員たちは自分達も組織を管理している実感を得る。
『リーダーシップの教科書』ハーバード・ビジネス・レビュー編ダイヤモンド社発行
「コンタクトのアイシティ」の戦略構築時には、現場から「アイシティをもっとよくしたい」有志を募り、「アイシティを変える100人プロジェクト」を立ち上げました。自分が考えた事について、100人プロジェクトメンバーそれぞれの意見を聞き、「現場が納得する戦略」を構築しました。「現場100人の声がベース」となると、マネジャー、経営幹部層もむやみに否定することはできません。
・企画段階から、変化の影響力を一番受ける人を参画させることが際立って重要。