脳科学コラム12.ミスが多い人、悩んでいる人はダイヤの原石?
コラム10で記載しましたが、「努力できる」というのはひとつの大きな才能です。
ケアレスミスが多い、且つそのことにコンプレックスを持って努力している人は、
まさにダイヤの原石です。脳のストッパーを外すことで才能が一気に開花します。
・アイデアが出るかどうかは「ゆるげるか」、「ゆるげないか」だけの話。1つの事に
集中してあまりゆるがない人はアイデアがなかなか出ない。集中力が欠如している人
こそが、創造性に富んでいる。
『脳はなにかと言い訳をする』池谷 裕二著 新潮文庫発行
・悩まなければ脳は活性化しない。不安こそが脳の栄養源。悩みは未来への予測がない
と生まれない。悩みは人間の生命力の肥やし。
『脳はなにかと言い訳をする』池谷 裕二著 新潮文庫発行
・脳はストッパーを外すと成長できる。「できないかもしれない」と心配する
ストッパーを外さないことには、無意識のうちに能力にブレーキをかけてしまう。
『海馬』池谷 裕二 糸井 重里著 新潮文庫発行
・若者が不安を感じ、自己嫌悪に陥ることは、成長するためにはとても意味がある。
「こんな自分が嫌だ」という気持ちが高まることで、新しいスキルを身に付ける動機
付けとなり学習速度もあがる。この「自分を嫌う」気持ちは、35歳以降にはなくなっ
てしまうので、不安な気持ちを大切にすることが重要。
『「嫌いっ!」の運用』中野 信子 著 小学館新書発行
・自分の駄目な部分には必ず意味がある。その意味をおろそかにすれば、自分を大事に
しているとは言えない。『「嫌いっ!」の運用』中野 信子 著 小学館新書発行
脳科学コラム13.「自分自身を信じる」は、後から生れる。
上司から「もっと自分に自信を持てよ」と言われることがあるかと思います。
それでも「自分に自信を持てない」理由は、自分自身が納得していないからです。
成果を挙げていくと、いつのまにか「自分ならできる」へスイッチします。
・未来を予測する最善の策は、自らが未来を創ること。
『できない脳ほど自信過剰』池谷 裕二著 朝日新聞出版発行
・未来を思い描き、「ワクワク」すると、脳が希望にあふれる。
『生きるのが楽しくなる脳に効く言葉』中野 信子 著 幻冬舎新書
・ともかく「できるんだ!」と信じることが重要。今では技とも言えない機械体操の「ムーンサルト」、40年前は塚原選手がやるまで、誰もできるとは思っていなかった。
『脳はこんなに悩ましい』池谷 裕二 中村うさぎ著 新潮文庫版発行
・楽観主義とは、「やればできる」と信じること。
『生きるのが楽しくなる脳に効く言葉』中野 信子 著 幻冬舎新書
・逃げないと心に決めると、脳は変わる。
『生きるのが楽しくなる脳に効く言葉』中野 信子 著 幻冬舎新書
脳科学コラム14.「作業興奮」、ってどんなこと?
やる前からモチベーションがないのは当たり前。
今日はモチベーションがないなと感じた時、まずは手を動かします。手を動かしてくるとどんどんのめりこんでいくことを「作業興奮」と言います。
・手を動かさなきゃ、脳は働かない。
『脳はこんなに悩ましい』池谷 裕二 中村うさぎ著 新潮文庫版発行
・やりはじめる前にやる気がないのは当然の原理。やってないからやる気は出ない。
やる気がない場合でもとにかくやりはじめるしかない。一度はじめると自己興奮が
はじまり、どんどん気分がのってくる。
『海馬』池谷 裕二 糸井 重里著 新潮文庫発行
・モチベーションを高めるためには、賃金などの「外発的動機」、自らどんどんその気
になる「内発的動機」がある。「内発的動機」でのおススメは「作業興奮」。なんか
やる気がないなと思っている時でも、手を動かし始めるとどんどんのめりこんでい
く。
『脳はなにかと言い訳をする』池谷 裕二著 新潮文庫発行
脳科学コラム15.「成人発達理論」って何?
欧米組織では、人材育成や組織開発で活用されているが、残念ながら日本では全く浸透していない理論です。人の成長を5段階にわけ、次のステージへと移行を促す考え方。
発達段階1:思春期
発達段階2:成人の10%がこのレベル。
自分メインで、相手の立場に立って考えることは難しい。
「移行方法」:行動分析学が一番有効。
発達段階3:成人の70%がこのレベル。
他人の気持ちは分かるが、自分の考えを持っておらず、組織の考えに
依存。
「移行方法」:自分の考えを持たせるようにする。
発達段階4:成人の20%未満がこのレベル。
組織で最も重宝される人材。他人の考えも分かり、自分自身の意見も
しっかり持っている。真のプロフェッショナルはこのレベルに達し
ている。しかし、考えが異なる意見をなかなか受け入れることができ
ない欠点がある。
「移行方法」:書籍では移行が簡単な感じで記載されていますが、実は相当
難しいです。「悪妻」「大病」「刑務所」のいずれかを経験
し、中年の危機である「自分とは何者なのか?」「人生とは
何か?」を深く考える必要があります。ほとんどの中年は、
この点を考えないようにしているかと思います。
発達段階5:成人のわずか数%しかいない。
自分の意見に全くとらわれない「開放性」「柔軟性」がキーワード。
人生というものは、「一生の学びの場」と捉え、生涯の学びが自分の
人生と深い所で理解している。組織全体を成長させる力を持っている。
『なぜ部下とうまくいかないのか』加藤洋平著
・自分なりの評価軸を持つ事が、自分の才能を見つけ出すことにつながる。
『努力不要論』中野 信子 著 フォレスト出版発行
※これは発達段階3→4への移行です。
・これからの時代に必要とされる「プラスの能力とは、ただ周囲に同調するのでは
なく、自分ならではの意見、判断を持つ事。
・社交的である方が人生でのメリットが多そうだが、一方でそのような生き方では、
真に強い「個」は育たない。社交的であるということは、周りの空気を読む日和見
能力だからである。『メタル脳』中野 信子 著 KADOKAWA発行
※上記2つとも発達段階3→4への移行です。
脳科学コラム17.やっぱり「好き」が一番!
モチベーション対策として「作業興奮」がありますが、「この仕事が好き」に勝る
モチベーション対策はありません。
・「出生したい」など目標を多く挙げる人ほど、仕事は長続きしない。「好きだから」
に勝るモチベーションはない。
『できない脳ほど自信過剰』池谷 裕二著 朝日新聞出版発行
・脳は自ら決断して、積極的に行動することで成長する。人間にとって能動的に動いた
時の快感は、受動的な行動よりもずっと強い。
『パパは脳科学者』池谷 裕二 著 クレヨンハウス発行
・自分が楽しめる仕事に集中し、楽しくない仕事はその仕事が好きは人へ譲る。どうし
てもやらなければならない場合はその仕事を好きになる工夫をする。例えば実験の
詳細を詰める作業が好きでない場合、それが得意なドイツ人や日本人になりきること
でこなす。
『世界で通用する人がいつもやっていること』中野 信子 著 アスコム発行